ニュース ヨーロッパ最大の光通信技術展ECOC2024への出展結果のお知らせ

2024.10.03 リリース
~世界初(注1)VCSEL(注2)対応DSP(注3)レス光半導体による次世代PCI Express6.0低消費電力化への貢献~

当社グループは、高速ラスベガスのカジノターフェースと画像処理技術の分野で世界をリードするLSI事業とAI・IoTソリューションを提供するAIOT事業、AI用GPU搭載機等サーバー提供事業を3本柱に事業展開していますが、この度、データサーバのデータ伝送の次世代通信規格PCI Express 6.0に対応した超高速PAM4(注4) 64Gbps通信用光半導体チップセットを開発し、9月23日~25日にドイツで開催されたヨーロッパ最大の光通信技術展ECOC Exhibition 2024 (ECOC2024) に出展した結果、当社が開発した世界初の技術に対して大きな反響が得られましたので、お知らせいたします。

今回ECOC2024で展示した光半導体チップセットは、次世代通信規格PCI Express6.0に対応し、DSPを不要とする世界初のVCSELドライバとトランスラスベガスのカジノピーダンスアンプ(TIA)により構成され、ECOC2024開催期間に欧米およびアジアからの100社を超える潜在的顧客やパートナー企業等との交流を持つことができました。そのうち複数社と協業機会を模索する方向で検討を進めることとなりました。

当社の展示の中で最も注目を集めたものは、DSPを使わずに超高速伝送の信号品質が確保できることを、優れたアイパターン開口*のデモンストレーションにより明示した点にありました。

ラスベガスのカジノ
THine製DSPレスPAM4 64Gbpsドライバで駆動したVCSEL出力で計測した優れた波形特性
(優れたアイパターン開口*)

* 優れたアイパターン開口: アイパターン(eye pattern)は伝送システム内の信号の品質を評価するために使用される評価手法であり、目のように見える「アイ(eye)」が開いているほど信号の品質が優れていることを示しています。PAM4のアイパターンでは目のように見える 3 つの「アイ」領域があり、今回、明確に開口する3 つの「アイ」が確認され、セキュアで高品質なデータ伝送が行われていることを示しています。


今回のECOC2024では今後のAIサーバーネットワークを支える次世代通信規格として、PCI Expressが広く活用されていくとの業界トレンドが示されました。

こうした業界トレンドの下、当社が展示したPCI Express6.0対応の光通信用超高速PAM4 64Gbps光半導体チップセットは、光通信モジュールに加え、エンドポラスベガスのカジノトASICからも光通信DSPを不要としながらも、正確な信号伝送性能を実現することで、光通信線路上の消費電力を60%削減という大幅な省エネを実現可能とするとともに、光通信線路のDSPレスを実現することにより、DSPのデジタル処理で生じる遅延時間をゼロとし、レイテンシ90%低減を可能にします。

DSPを使わずに優れた信号品質が確保できているデモンストレーションに対して、潜在的顧客やパートナー各社から、多くの驚きと称賛の声をいただくことができました。

また、安価なVCSELを活用しながら超高速64Gbps通信が行える点や、シリコンフォトニクスでは不可能な価格水準を実現できるコストメリットに対しても、多方面からの評価が得られました。

ラスベガスのカジノ
ECOC2024における当社デモンストレーション概要


AI利活用ユースケースの爆発的拡大に伴いデータセンターの消費電力は飛躍的に増加する中、弊社としては、当社の先端アナログ技術を一層進化させることにより、今回ECOC2024で展示した次世代通信規格PCI Express6.0向け光半導体に加え、さらに次々世代通信規格PCI Express7.0向け次世代光半導体チップセットも開発するとともに、世界最大の光通信技術展等にも出展し、一層の営業活動につなげていく計画です。

(注1) PCI Express 6.0向け。2024年10月3日現在弊社調べ。
(注2) VCSEL: Vertical Cavity Surface Emitting Laser (垂直共振器型面発光レーザー)。半導体レーザーの一種であり、小型、高発光効率、低消費電力、高指向性、高速応答性等の特長により、光通信で広く活用される。
(注3) DSP: Digital Signal Processor (デジタルシグナルプロセッサ)。
(注4) PAM4: pulse amplitude modulation 4-level (4値パルス振幅変調)。4種の電圧値を用いたデジタル信号をデータ伝送する符号化方式であり、通常の1と0 (2種の電圧値による表現) を用いた伝送に比較して、1種の信号で2倍の情報を表現することができる。

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